3月1日から5日まで、パノラマ支援に関する議案のみの臨時議会がありました。
住民懇談会で説明された「富士見町の観光戦略とパノラマ強化方針」にもとづいたものです。
内容としては、
富士見町の貯金の中で使い道が自由な24億円のうち、10億円を開発公社に貸し付ける。
そして、開発公社は残っている借金15億円のうち10億円を一気に返済する。
と言うものです。
3月2日に、議長を除く議員で構成されたパノラマ強化特別委員会を開きました。(議論には入りましたが、議決には入りません)
午前中は町開発公社理事長・スキー場支配人及び関係者を参考人に招き、
また午後からは町長・副町長・産業課長・財務課長の出席を求め審議しました。
(先日お知らせした住民懇談会の 質疑応答が富士見町のホームページに掲載されました!)
私は今までずっと、パノラマ支援について反対してきました。
また、借金を一気に返すべきだとも提案してきました。
新町長となり、町民が一番望むことは、しがらみのない目で、経営体質の刷新をすることだと思います。
今までの反省として、一番の問題は経営に責任を持つような経営体系になっていない事だと思います。
前政権でもそうだったんですが、今回も住民説明会を後ろから聞いていてつくづく思いました。
なんで、町長が毎回パノラマについての説明に精力を使わなくちゃいけないんだろう・・・
産業課の課長や、担当の職員も、本当なら、富士見町の他の問題にもっと時間を使わなくてはいけないはずです。
パノラマを担当している職員が、他の会議で「申し訳ありません。パノラマにお金をつぎ込んでしまっているので・・・」
と、言ったことがあります。
町を揺るがすような大きな問題を、職員に背負わせるのはあんまりだと、その時に感じました。
もう、こんな状態からは抜け出して欲しいと思っているのは、私だけじゃないと思います。
住民説明会でも、経営体制についての質問はいくつもありました。
町長は住民説明会の経営体制・赤字を出していた時の経営責任についての質問に、
「現在のパノラマは、理事長が監査と経営を兼ねている状態。 本来なら社長がいるべきで、経営問題は社長が責任を持ちべき」と、答弁しています。
私も一番先に町長に質問したもの、その点です。
経営に責任を持つ社長がいるべきだが、そのことに手をつけることにより、緊急課題として10億円の貸付が優先だ、との返事でした。
先延ばしにすることよりも、早く決断すべき課題であることは、私も理解できます。
一番悩んだのは、「民営化」の部分です。
私は一刻も早く、町からパノラマを切り離して欲しいと思っています。
前矢嶋町長はその点、「町がやるべき事業ではない」はっきりしていました。
しかし、新町長は「新計画で借金の返済の終わる10年は民営化は考えない」と、言っています。
平成14・15年と、町が地上権を29億円で買い取り、その時の再建計画が立ち行かなくなり、平成18年には新たな支援策。
温暖化・不況・施設の老朽化など不安材料があまりにも多く、私は一日も早くパノラマと町を切り離すべきだと考えています。
「民営化してしまえば、企業はうまくいかなくなったら撤退してしまう。
そうなったら、西山地区はめちゃめちゃになってしまうじゃないか。」というのが町長の意見です。
確かに、そうなる可能性は大です。
でも、「民営化」といっても、別にどこかに売る必要もないんじゃないでしょうか。
東急が入ったことで、経営体制は強化されたと評価されています。
職員も確実に育っているはずです。
「勝ち組になれる」将来性のあるスキー場なら、公社が独り立ちして新たに会社を立ち上げたっていいんじゃないでしょうか。
私は、今回公社が抱えている借金の全額の15億円を支援しても、公社が独り立ちして欲しいと思います。
10億円が富士見町の一般会計からの繰り入れのメリットだと言うなら、他の特別会計から借りてもいいんじゃないか、と思います。
まず、それらの点を一年間議論すべきだと考えました。
しかし、先延ばしても、どんな結論に達するかは見えません。
一年後の3月に議会で判断を迫られた時に、4月が任期の現在の議員たちに決断するだけの勇気があるか・・・
そうなるなら、今、10億円の支援については、責任を持って結論を出すべきだと思いました。
町長はどうしても「民営化」について10年は考えない、としか返事をしてくれませんでした。
これでは、賛成できないと思っていましたが、
「毎年計画を精査して、計画通りに行っていない場合は、計画の変更も検討する」との答弁を搾り出す事ができました。
私は、これを「民営化」の大きな一歩と、評価することにしました。
この3ヶ月間、前計画の総括はどうなんだ、町財政への影響など、いろいろな方に相談し悩み続けました。
そして最終的に、この案を通すことが町民にとって有益であり正しい判断だ、との思いに至り、賛成しよう!と決断しました。
ところが! なのです・・・
特別委員会で参考人に招いたパノラマの理事長が
平成18年からの再建計画の評価、これから、1~1.5億円の利益をあげられるのか、との質問に
「財政のことは約束していない。
財政面については、町が責任を持ってやってくれ」という趣旨の発言をしてしまったので、それからが大変でした。
私は大体、会議の内容をメモしているのですが、この発言の後は、頭がクラクラしてしまって、メモをするのも忘れてしまいました。
当然、許せる発言ではないので、何人もの議員が追求しました。
平成18年の支援計画の住民説明会に、理事長も出席しています。
議会に提出される、毎年度の2.3億円の支援は、その時の経営計画が元になっています。
それを「知らない」「約束していない」では、通りません。
この発言があった後では、議員としても賛成する訳にはいきません。
「賛成」を決めていた議員の中にも、「反対するしかない」との空気が占めました。
あまりのことに収拾がつかずに、一時休憩となり、再開した時に理事長が「私の勘違いでした」と発言しました。
その後も、東急から来ている支配人から、これからの戦略についての具体的な説明が続きました。
しかし、どんなにいい話をされても、あの発言の後では・・・という感じでした。
私は、今までの議会でも何度も言ってきているのですが、町民に愛されるパノラマにするための政策がかけている、と意見を述べました。
富士見町民、1万5千人が観光大使になって、パノラマをPRしよう、と言ったって無理です。
町民にとって、最近までほとんど何の還元もなかったのですから・・・
今、思えば信じがたいことですが、わが子が小さいことは、保育園児は大人料金でした。
今回、10億円もの町民の税金を投入するに当たっては、町民に還元がなければ納得できません。
町民は半額だって、どうせゴンドラは動いているのですからいいじゃないですか!
子どもたちは、無料だっていい。
あれだけのコースがありながら、オリンピックで活躍するくらいの選手を育てるような事にも目が向いていない。
と、発言しましたが、心に響いたでしょうか・・・?
昼食をはさんで、午後からは、町長・副町長・産業課長・財務課長の出席で委員会を再開しました。
・10億円を減らしての、財政比率の変化は
・10億円を一気に返済するなら、町の借金から先に返すべきではないか。
・10億円の根拠は
・金融団に再建放棄を求めるべき
・一年間、じっくり議論すべきではないか
・基金の残高、今後の予想
・将来的な施設の耐久性は
・10億円につては、公社から要請があったのか
・10億円を貸し付ける法的根拠は などなど・・・質問・意見が続きました。
当然、午前中の理事長の発言についても多くの意見が出ました。
理事長に言わせれば「財政問題は町の問題」、というのなら、平成18年に内々にどんな話だったのか。
今後も同じ事が言えるんじゃないか。
それに対して町長は、パノラマは実質町営。
今回の10億円は、パノラマ支援と言うよりも、町の財政を立て直すために必要なものだ、という内容の答弁だったと記憶しています。
委員会の最後に、委員会としての判断をします。
悩んでいた議員の空気は、「賛成できない」に向いていたと思います。
表決の前に、これも異例ですが、町長が「言い残したことがある」といって発言を求めました。
「私はこの議案に町長としての職を賭けています。
もし、この議案を議会が否決するなら、私への不信任案を出してください。
そして、必ず議会で通してください。
反対の議員さんは、どうして反対なのか、私にか分かるように説明してください。
私も覚悟を持って望んでいるので、皆さんも同じような覚悟で望んでいただきたい。」
と言うような内容だったと思います。
反対する議員の名前を広報で公表する、とか
住民説明会で反対の意見がなかったんだから議員も住民の意見を尊重すべきだ、とか
「町長! それは、違いますよ」という発言もあったのですが、大筋は通っていると思いました。
反対の議員が、理事長の発言もあり、経営体制の刷新を先にすべきだと(確かそうだったと思うのですが・・・)発言すると
伸ばすことに何のメリットがあるのか、先延ばしにする理由を、町長は求めました。
町長の発言を聞いているときに、一歩下がって客観的にみている私がいました。
「この人はこうやって世界中をまたにかけて交渉をしてきたのか・・・」
押しの強さは、さすが、 でした。
悔しいけど、やられたな、と感じました。
確かに、3ヶ月、悩みに悩んで賛成しようと決めた理由は「今回の10億円の貸し付けが正しい事なのか」にありました。
理事長の発言は許されるものではないけれど、私も、そこに立ち返るべきなのかと、思いました。
最終的に、決を採った結果は、反対3人 賛成6人でした。
委員会には、議長と特別委員会の委員長は表決には加わりません。
そして5日の議場では、反対の議員2名、賛成の議員4名の討論があり、採決の結果は
賛成 8名、 反対2名 でした。
議場では、議長のみが表決に加わりません。
委員会で反対だった議員が一人「特別委員会の結果に従う」と、賛成にまわりました。
この日は、本当に長い一日で、頭が許容範囲を大幅に超えてフル回転していました。
最後に、議員の皆さんに「付帯決議をしよう」と提案するつもりが忘れてしまいました。
「付帯決議」は、法的には何の効力もないのですが、議会としての意思表明として、なんとしても皆さんの意見をまとめたいと思いました。
前町長だったら、鼻にもかけないと思います。
ただ、新町長は、その点、ちゃんと考えてくれると思って期待しています。
私個人的には「早期民営化」を入れたかったのですが、それについては同意を得られない議員さんもいます。
賛成、反対を超えて、議会としての総意を目指し、以下の3点の付帯決議を町長に提出しました。
1.今後とも更に情報公開に努め説明責任を果たすとともに、議会とも常に議論・検討をする。
2.経営体制を刷新し、健全経営のできる体制づくりをする。
3.今計画を進める中で、年度ごとに計画と実績の評価をし、乖離が生じた場合は、早急に計画の見直しをする。
この10億円については、富士見町にとっても大変に大きな問題です。
これから議員を辞めても「あの判断はただしかったのか」と、一生、自分に問いかけ続けると思います。
しかし、今回の委員会で、議員が町や公社、そして議員同士が真剣に議論できたことは評価できるものです。
今まで、やってこなかったことの反省も含めて、付帯決議の1番目に入れました。
議会として、議員一人一人がどのような考えで判断したのかを住民に明らかにする必要があると思います。
議会広報の臨時号を出して、説明責任を果たす予定です。