県の林務課から次のようなお知らせがきました。
「野生鳥獣による農林業被害、自然環境への影響、人間と野生鳥獣とのあつれきが問題となる一方で、有害鳥獣の捕獲等に携わる狩猟者は高齢化、減少しており、若い狩猟者を育てることが急務となっています。
このため、県民の皆様に、狩猟の意義や役割等について理解を深め、狩猟について考えるシンポジウムを開催します」
基調講演「江戸時代の信州は野生動物であ触れていた ~鳥獣今昔物語~」
パネルディスカッション:「狩猟という野生動物の管理」
ジビエの試食やハンティングシュミレーションシステム体験コーナーもありました。
長野県林業総合センター 研究員の小山泰弘氏による基調講演。
現在のまでの被害状況、そもそも鹿とは一体どんな動物か? 被害の多かったときはどうやって解決しようとしていたのか?
話が整理されていて、よくわかり、とっても面白かったです。
《独断と偏見の私の印象に残った部分》
野生動物の被害が増えている。
年間被害額が16億円。
鳥獣被害の中でも、日本ジカの被害が急上昇、40%に達している。
森林の下草がすべてなくなってしまっている。木の被害も大きく、森林環境の大きな問題となっている。
1975年の被害額が800万円なのに対して、2008年には7億円にも上っている。
確認数も急上昇、その内訳を見るとメスと子どもが目立って増えている。
鹿は一夫多妻。メスは2年で毎年出産可能となって、毎年1頭づつ出産すると加速して増える!!
いつから増え始めたのか?
1970年代には、絶滅が危惧されていた。
江戸時代までさかのぼってみると、獣害で苦労していた。

上記の写真は、塩尻の例。
山と耕作地の間に28kmもの土手をや穴を作って、山際から獣が来ないように防いでいた。
すごい労力!

富士見では乙事の文献に猟師や玉代、鹿垣つくりの日当の記載があったそうです。
各地の村夫銭帳(会計)を読むと、山沿いの村では村費の10%程度を寿賀意対策に充てていた!
つまり、住人がお金も人も出して徹底的に戦ったのが江戸時代の獣害対策。
こうした努力を100年以上続けて、獣を減らしてきた。
明治時代には、日当20銭の時代に、1頭7円~10円で取引されていた。
これは、現在の日当を仮に1万円で算すると一頭が35万円の高値になる。
明治から大正時代の30年間で絶滅近くまで一気に個体数が減っている。
つまり、天敵のなれるのは私たち人間だけ
金と人コストをかけた江戸時代。
高価な毛皮が売れた明治時代。
何も手を打たなければ増えるだけ。
あなたはどうしますか・・・
と言う、お話でした。
聴講者には猟友会のメンバーも多かったようですが、とにかく高齢化が進み、若い狩猟者を育てることが急務だそうです。

《鹿肉の試食コーナー》3品
鹿肉と卵の煮込み
鹿肉の冷製 鹿肉の燻製
どれも肉がやわらかく、癖もなくおいしかったです。
私が一番おいしかったのは、燻製。
レシピはこちらから長野県調理師会の「信州ジビエ料理レシピ集」

《シューティング体験コーナー》
私も体験しました! ^^
まったくの初めての体験で、目線を一点に合わせることから教えていただきました。
当たるとうれしい。
人間には、存在的に狩猟本能ってあるんじゃないでしょうか・・・
よく、エンジェルさんは狩猟には反対だろう、といわれます。
私は動物が大好きだし・・・殺すことが目的のハンティングには反対です。
でも、動物と人間の長い共存の歴史を考えたときに、今回の話のように戦いが繰り返されて来たわけです。
その種を絶滅させてしまうようなことは言語道断ですが、現状から狩猟は有効な手段の一つだと思っています。
現在の鳥獣被害の一番の理由を、山に動物の食べ物がなくなったからだ、という方がいらっしゃいます。
その事が理由のひとつであるかもしれませんが、一番の問題点は、住み分けができなくなった事だと思います。
亡き愛犬のブルートと、サルを追いながら山の中を歩きましたが、どんぐりなどの木の実がたくさん落ちていました。
それでも畑に出没するのは、畑が餌場になってしまったからです。
木の実よりもおいしいし当然ですよね。
「里」で生まれ育った固体には、すでに「里」が生息の場所で、いまさら山に追い返したとしても、当然、住処である「里」に戻ってくるでしょう。
今回のパネルディスカッションの質問で指摘された方がいましたが、昔は飼い犬を夜は皆さん放していたようです。
その犬たちは群れて、集落を巡回する役目を担っていました。
昼は昼で、農作業をする人が、畑にたくさんいました。
しかし、現在は、作業の機械化も進み、畑で農作業する人もほとんど見かけません。
田畑の荒廃が進み、獣たちが姿を隠す場所も増えました。
山に食べ物がなくなった事が最大の原因だったとしても、夜は犬たちが巡回し、昼は人間が畑にいたら、獣たちも畑に出てくることはなかったでしょう。
山の中で、強い固体が生き残るという、自然淘汰の中で生きていたはずです。
だから、私は伝柵で囲うことがいいことなのかどうか、疑問にも思います。
しかし、富士見町ではすでに周辺を伝柵で囲い、中で頭数調整をする政策を進めているます。
でも、それと同時に、畑を餌場にしている獣たちを根気よく追い払って、畑は餌場ではないことを、教えなければいけませんよね。
↓今までも、農作物の鳥獣被害について、このブログでも書いています。
2005年 5月12日 有害鳥獣被害に思うこと
2006年 10月31日 大町市のモンキードック
我が家のブルートのサル追い
2005年8月13日
2005年8月30日
2006年1月18日
私は、多くの鹿が殺されているのですから、その命を無駄にせずに、利用するべきだと思います。
せめて信州のお店に行けば、豚肉や鶏肉と同じように、ごく普通に鹿肉が手に入るようになればいいのなあ・・・と思います。
処理の許可や、銃で撃ったときの肉質など、いろいろな問題があるようですが、これもどこにお金を使うのかの選択肢の問題ですね。