2009年01月11日

葛窪地区の「まるごとミュージアム構想」

2月発行の「議会だより」の「街角インタビュー」の担当になりました。
以前より、詳しいお話を伺いたいと思っていたので、葛窪地区の「まるごとミュージアム構想」について取材しました。
議会だよりの紙面では伝えきれないので、ここでご紹介。

12月の信濃毎日新聞に「富士見町の葛窪集落施設『安楽院』に、集落の図書館誕生」とありました。
「~(略)今春建て直したのを機に、地元の高齢者クラブの人たちが学びの場にしていこうと発案し、町図書館に相談。~(略)」
「~(略)安楽院はもともと寺院として住職がいた時期もあり、古くは戦国時代に武田信玄が泊まったとの言い伝えもある。
その後、公会堂として使われてきたが老朽化。今春、国や県、町の補助を得て建てなおした。
地元では、住民が節節目に集まって念仏を唱えたり、細く裂いた古布で織り上げる『ぼろ機織り』(裂き織り)を伝承したりする場所にしようとしている。~(略)」

この、安楽院の事業も、「まるごとミュージアム構想」の一端です。


私が一番知りたかったのは、集落の皆さんをどのように巻き込んでいったのか、と言うところです。
この事業の経過に詳しい、平出清仁さんにお話を伺いました。
平出さんのお話によると、葛窪区の「まるごとミュージアム構想」は、平成3年の、花いっぱい運動から始まったそうです。

平出さんは、カゴメに勤めていらっしゃいましたが、栃木県の研究所など、長く富士見町を離れていらっしゃいました。
平成3年頃、富士見町に戻ってくると、学校道は草ぼうぼうで、あちらこちらが荒れていました。

富士見町のカゴメ工場では、トマトジュースを作っています。
美化活動の一環として、トマトと同じ赤い色で、工場内を真っ赤にしようと言うものがありました。

その経験を生かし、カゴメからサルビアの苗を寄付してもらい、葛窪地区を花いっぱいにしよう!と呼びかけました。
これに、子供から高齢者クラブなど、区内の協力が得られ、各家にもプランターを配り「花いっぱい運動」が始まりました。
平出さんは、この運動の仕掛け人になられたんですね。

その後、毎年サルビアの苗を作って、花いっぱい運動は続けられていましたが、
苗を作るのは結構大変、それだったら、木を植えようじゃないか、と言う事になりました。
いろいろ検討した結果、花言葉で「春を告げる強い花」と言われる杏にあやかり、
「強い集落にしたい」という願いを込め、杏を村中に植栽しました。
今年は、二百キロ近く杏の実が収穫されたそうです。

平成11年に、集落内の景観を守る為に、住民協定が結ばれました。
これは、集落内の幹線道路を中心に、その関係地権者によって結ばれました。
100%の地権者の同意がなくても結べるものですが、いろいろな利害関係が生じます。
協定を結ぶに当っては、なみなみならぬ努力があったと容易に推測できます。
協定まで持っていった、葛窪集落の皆さんには本当に感心します。

それも、基礎に、集落内の住民の協力を得られた「花いっぱい運動」があったからですね。
納得しました。


同じく11年には、田園空間整備事業などを利用して、区内全体を公園化しようという計画が作成されました。
これは、国・50%、県・25%、町・20%、地元の負担は5%で行われる事業です。
平成15年から平成20年までの事業として、実施が始まりました。
氏神様からの道路、東出口から村中への道路、公会堂(安楽院)、舞屋等の整備が行われたそうです。
こうした、補助事業をうまく利用したのも、葛窪区のすごい所ですね。

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改修が終わり、集落の図書館として開館した「安楽院」です。(上記の新聞記事です)
開館に当っては、700冊をこす本を寄贈していただいたそうです。
町内にお住まいの故人が、生前に出版社の知人から譲り受けた本で、
遺族から図書館への寄付の相談がありました。
図書館ではすでに備えられている本も多かった事から、安楽院での活用が決まったそうです。
ほとんどが新品同様で、全集から小説まで幅広い本が揃っています。

本を媒介に、子供からお年寄りまで集える場所が集落内に出来き、今後、楽しみです。
とりあえずは、月に2度ほど開館す予定、運営や管理は、高齢者クラブを中心に検討していかれるとのことでした。

さて、今後です。
集落内に点在する葛窪の宝(サテライト)をつなぐ道や施設の整備は終わりました。
これからは、かくれた資源を生かし、誰でもが楽しんで歩けるマップ作りをみなさんと取り組む予定です。
これは、県のアジール構想(かくれ里構想)につながるものですね。

「実際にみんなで歩く企画もしたいですね。」と、平出さんの頭の中は、楽しい企画で一杯のようでした。

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お話を伺っている間、なんの資料も見ずに話されるので、すべて頭に入っているんだと、感心しました。
帰る頃になって「見るんなら・・・」と、資料がたくさん出てきました。
手作りの資料からも、平出さんの想いが溢れていました。
こうした事は、うまくいく話ばかりではないでしょうが、平出さんのように熱い存在は、貴重です。

0812 kiyohitosan ringo.jpg
お茶請けに出してくださった、紅玉の甘煮です。
この美しい色!!!
平出さんのお宅では、野菜は勿論ですが、りんごも何種類も栽培なさっています。
学校給食へも出してくださっていて、地元の小学校では小さな赤い姫りんごが給食に添えられる事もあります。
ご夫婦揃って、活動の幅の広い方々です。
こうした人材が、一番の富士見町の宝ですね。

貼り主: chiyoko 日時: 2009年01月11日 23:18
コメント

素敵なお話、読ませていただいてなんだかうれしくなりました。
地域を元気にするのはやっぱりそこに住んでいる「人」の力ですね。
私たちはウォーキンググループの会員で、富士見もよく歩かせていただいています。
このマップの道もぜひ歩いてみたいな~、と思いました。

貼り主: 風路 日時: 2009年01月15日 10:17

風路さん
いつも、覗いてくださって、どうもありがとうございます。
本当は、この住民協定も、最初は私の住んでいる池袋地区での計画がありました。
池袋には、井戸尻考古館もあって、段々畑の農村地区としては、次世代に残して行きたい景観です。
でも、利害関係が絡み合って、話が進めませんでした。

葛窪区のその後の活動、楽しみです。
マップが出来たと、お知らせいただいたら、またご報告しますね。

貼り主: エンジェル 千代子 日時: 2009年01月15日 22:21
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