井戸尻遺跡発掘50周年記念
「巫女の起源」民俗学者谷川健一先生の講演がありました。
谷川先生の話は
「井戸尻から出土したマムシを頭にいただく女人土偶は巫女ではないか」と言う話題から始まりました。
「頭にマムシを乗せた女性は、危害を加えられないことで、特別な能力を示している」
同じように、奄美にはノロと言うハブを制するシャーマンがいたそうです。
「始まりに巫女ありき、巫女がいなければ神は存在しない。」

また、九兵衛尾根遺跡から出土した土器に描かれていた龍と中国の龍を関連付け、
「東シナ海は一昼夜で渡れ、稲作が海を渡って縄文に渡来したのではないか」
「中国で栽培されていた種が縄文時代に日本に入って来たと考えられる。」
その話を井戸尻の小林館長に話したところ
「『われわれもそう考えています』と、簡単に言われてしまった」と、苦笑されていました。
先生の話で、私が印象的だったこと。
「考古学は、形に残らないものは学問の対象にならない。
遺跡や遺物がなければ考古学は存在しない。
しかし、民俗学は文書や記録がなくても伝承があれば十分研究の対象になりうる。
日本人の精神の奥深い所に民俗学がある」
「たとえば、形として残らないひょうたんも研究の対称になる。
古代人の最大の願いは再生(=もう一度よみがえる)
死者の再生の器として卵とひょうたんが必要だったのではないか。
古代人が何を望んでいたのか、それを考えなければならない。
井戸尻では、それを真剣に考えている、もっともまっとうな研究だ。」
また、「呼んでもらって光栄に思っている」ともおっしゃっていただきました。
これは、富士見町の住民としては、誇りに思うべきことではないでしょうか。
考古学も民俗学も全く素人の私ですが、学問を究めていらっしゃる先生のお話は、深く楽しいものでした。