昨日に引き続き、みどりネット信州の勉強会
「どこが問題? ごみ処理広域化計画」
講師:山本節子さん : 行政ウォッチャー、調査報道ジャーナリスト。
山本節子さんの紹介
1948年生まれ。行政ウォッチャー、調査報道ジャーナリスト。
立命館大学文学部英米文学科卒業。鎌倉市在住。
自然保護運動をきっかけに、主に土地、開発、環境問題などの行政問題に取り組み始める。
その手法は具体的な事件の背景を、行政文書や裁判資料、法令を読み込むことで科学的に分析し、
さらに関係省庁などに丹念に取材を重ねて問題点を洗い出す。
著書には「大量監視社会」「土地開発公社」「ごみを燃やす社会」「ごみ処理広域化計画」などがある。
《ごみ政策の大転換》
日本のごみ行政は1997年の厚生省の2つの通達で大転換した。
①1月「ゴミ処理にかかわるダイオキシン発生防止ガイドライン」通達
②5月「ごみ処理広域化計画」通達
①のダイオキシン通達で、処理施設の大規模化と市町村のブロック化を命じた。
大規模化・広域化に乗らないと補助金はつかないとされ、補助金事業のベースとなった。
②の広域化計画により、市町村からの「ごみ処理」の権限を奪い、「自治権」を切り離した。
「通達」とは、一般的に、課長レベルが職員に出すもので、法律に基づかない。
国会審議も国民周知も行われない。
本来、地方自治体は自治権を持ち、国の権限の及ばないところにある。
しかし、都道府県は、国の通達を厳守すべき義務がある。
上記の通達を受け、各都道府県は1997年3月までに、全市町村をブロック分けし広域化計画を制定した。
市民の出すごみ、一般廃棄物の処理は、市町村の固有の事業。
基本的に域内でごみ処理を行わなければならない。自分で出したごみは自分で処理をするという、自治の基本。
「自治事務」と呼ばれるこれら市町村の事務は、その地域に住む住民の自治権そのものであり、かつ憲法に定められた国民の権利。
しかし、広域化通達は、法令上・憲法上の縛りを全て無視した「行政命令」として発せられている。
《広域連合》
ごみ処理に新たな組織が必要だったため、総務省は1955年に地方自治法を改正し「広域連合」を設けた。
広域連合は、設立自治体から完全に独立した市町村の連合体。
独自の主張・議会等を持ち、国県から権限を委譲できる。
しかも広域連合に移管した事務は、設立した市町村から完全に消滅する。
広域化により、市町村から自治権を取り上げている。
《誰のための広域化か》
産業界全体の産業のための計画。
国は補助金をちらつかせ、市町村にガス化溶融炉か直接溶鉱炉を採用させようと、タイムリミット付きで「広域化計画」を迫った。
市町村は、それまでのごみ減量の努力をやめ、大型炉の建設に乗り出した。
ガス化溶融炉は耐用年数も15年ときわめて短い。
先端技術で「専門家」が必要。
広域連合の職員はきわめて少なく、広域化を担うのは民間企業であることを示している。
《高コストは誰が負担する?》
企業の営利活動の情報は公開されない。
そこから乗じる責任不在・市民無視は、いずれ赤字財政と腐敗となって市民に襲い掛かる。
ダイオキシン・ガイドラインや広域化計画そのものが、厚生省のOBの天下る財団法人・廃棄物研究財団を中心に作成されていた。
施設建設も同財団の参加企業がもっぱら受注する体制になっている。
新設炉建設に入札にあたり、自治体はガイドライン通達の規制に低号しているかどうか認証を得なければならない。
その認証制度もまたこの社団法人が握っている。
《Q&Aから》
広域連合と一部事務組合はまったく違う。
広域連合はまったく新しい概念。
本来、市町村は国・県から独立しているが、広域連合は国や県に代わって事業が行われる。
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広域連合の意味ってこんなところにあったんですね・・・
でも、富士見町の町長は、一部事務組合(諏訪南行政事務組合)のことを富士見町の議会で質問しても
「組合長や議会がある独立した一つの自治体だから、富士見町長が答弁する立場にない」と、答えてますけど・・・^^;
灰溶融炉建設からごみの問題に取り組み始めて、広域化することに疑問を持っていました。
広域化することで、大きな施設が必要となり、当然、財政的にも環境面でも負担が大きくなります。
小さな単位で、地域の中で循環できるようなシステムを作れれば理想的ですね。
広域化の問題に気づいた地方自治体では、広域からの離脱が始まっているとの事です。
神奈川県の二宮町の広域からの離脱。
葉山町では、「ゼロウエイスト」を目指すことを表明していますよね。
上勝町に続き、日本で2番目にゼロイウエスト宣言した福岡県・大木町の宣言も、簡潔です。
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福岡県の大木町のもったいない宣言
ゼロウエイスト宣言
地球温暖化による気候変動は、100年後の人類の存在を脅かすほど深刻さを増しています。その原因が人間の活動や大量に資源を消費する社会にあることは明らかです。
私たちは、無駄の多い暮し方を見直し、これ以上子どもたちに「つけ」を残さない町を創ることを決意し、「大木町もったいない宣言」をここに公表します。
子どもたちの未来が危ない
1.先人の暮らしの知恵に学び、「もったいない」の心を育て、無駄のない町の暮らしを創造します。
2.もともとは貴重な資源である「ごみ」の再資源化を進め、2016年(平成28年)度までに、「ごみ」の焼却・埋立て処分をしない町を目指します。
3.大木町は、地球上の小さな小さな町ではありますが、地球の一員としての志を持ち、同じ志を持つ世界中の人々と手をつなぎ、持続可能なまちづくりを進めます。
以上宣言します
そして、この行動宣言の中で
「ごみの発生抑制など、法制度の早急な整備を求めていく 」 として
3.大木町は、製品や容器包装の再資源化費用をすべて生産者が負担する拡大生産者責任の徹底や、容器包装のディポジット制度導入など、
ごみの発生抑制や分別収集の徹底などに役立つ法制度の早急な整備を国や関係機関に求めて行きます。
と、明記しています。
「やってできないことはない。やらずにできるはずがない」と、つくづく思いますね・・・