2008年05月06日

アメリカの民衆から見た日本国憲法

5月4日「諏訪地方憲法集会を成功させる会」主催で、「生かそう日本憲法! 日本に、世界に!」が開催され、
記念講演で、ジャーナリストの堤未果さんの「アメリカの民衆から見た日本国憲法」がありました。

堤さんは、小学校、中学、高校生活を日本で過ごし、その後米国の大学へ。
その後、国連アムネスティインターナショナルニューヨーク支局員を経て、米国野村證券に勤務。
9・11を、被害にあった隣のビルで体験した。

その後、変貌するアメリカにショックを受けて日本に帰国。

大好きだったアメリカが、9.11以降豹変して行く。
テレビからは2つの報道しか流れない。
煙を上げるタワーの映像と、こぶしをふりあげながら泣く大統領の映像。
メディアが不安をあおり、不安に駆られた人々は銃を買いに走る。
ごく普通の主婦までが、スーパーへ行って銃を買った。
やられたら、やり返すしかないとアフガニスタンへの攻撃が始まった。

恐怖が国中を支配して、市民が武装した。


帰国後日本でのアルバイトで、イラク戦争の被害者や医師が来日した時の通訳をした。
「なぜ、わざわざ日本に来たのか」と言う未果さんの問いに
「日本は唯一の被爆国で、被爆治療が進んでいる。」
「日本には9条がある。」
「日本人に訴えたなら、この戦争を武力ではなく、話し合いで解決してくれる」と答えた。

この時、日本には憲法9条があったから平和が守られてきたんだと気づいた。

未果さんは2004年にアメリカに戻って、イラク戦争についてのインタビューを始める。

9.11以降、アメリカは3つの政策を強行に進めた。
①社会保障を弱者・貧困層まで、徹底的に削減。
②個人情報の一元化・・・テロとの戦いをキーワードに政府が国民を守る事ためにと言って情報を握った。
③医療・労働・教育など幅広い分野で民営化を進めた。

・個人情報の一元化について
高校は軍に個人情報を提出しなければならなくなった。
提出しなければ、助成金がカットされる。
カットされても困らない高校ならいいが、貧困地域の高校は助成金をカットされると困る。
高校生の携帯電話にいたるまでの詳細な情報が軍へ提供された。
 軍は、貧困層のなるべく将来のない子を選び出して軍へ勧誘する。
 「君は将来の夢をあきらめてはいけない」
 「もし、お金が問題なら軍へ入れば大学の入学費用を5万ドルまで出す」
 「予備兵なら、戦地へは送られない」
 「90以内なら取り消しがきく」
などなど、おいしい話をするが、実際の話はまったく違う。

大学の費用も1.8万ドルくらいしか出ないし、授業料も上がっている。
実際にすでに30万人の予備兵が戦地に送られている。
入隊の取り消しも、軍事裁判にかけられ、その裁判中でも戦地に送られる可能性はあり、裁判中の兵士は武器をもてない。

しかし、リクルーターになれば、戦地に行かずにすむ。
町の中の仕事で、しかも9時から5時の仕事になる。
ここでもきびしい制約があって、一ヶ月に3人の新兵を確保できないと、戦地に送られる。

国の中の格差が、生存権と引き換えに入隊する制度を作ってしまう。
これは経済的な徴兵制である。

ほとんどの帰還兵がホームレスになっている。

また、派遣社員として民間人がイラク戦争を支えている。
アフリカ・インド・ネパールなどの国から、「すばらしい仕事がある」と言ってイラクに送られている。
この人たちは民間人なので戦死者には数えられない。
すでに10万人。180の民間企業が参入している。


教育について。
2002年の春に「落ちこぼれゼロ法案」が可決された。
教育の現場に競争原理が入れられた。
全国一斉学力テストが始まり、先生たちが締め付けられる。
先生たちは、平均点を上げるためにいんちきをはじめ、子どもたちは「大人は自分たちのことを考えていない」と勉強が嫌いになった。


アメリカ国民は、どうやって戦争を止められるのか?
メディアは大資本に抑えられている。

怒りの声を上げて、システムを変えなければ同じ事が起こる。

憲法で国民がブレーキをかけられる。
憲法は国民の武器であり義務である。
あきらめずに、システムがおかしいと訴えなければいけない。

世界は9条を評価している。

南米のボリビアの大統領が来日した時に当時の安部総理との対談で言った。
「私もあなたと同じように、任期中に憲法を改憲したい。
 9条を加えようと思っている」 


★と言うような内容の講演でした。
 最後のボリビア大統領の話は、最高でした。

 足で歩いて取材を元にした話なので、説得力がありました。
 先日の「Sicko」と同様、アメリカのすごく衝撃的な話でした。
 若者が、だまされて入隊して戦地に送られているなんて、恐ろしい話です。
 社会に格差は生じて、貧困層を作ることで、戦争へ兵士を送っている。
 でも、日本でも若者の貧困層が増えている事が問題になっています。
 
 教育問題にしても、日本は恐ろしいほどアメリカと同じような道を歩いていると言う事ですね。

 若い人たちにも是非聞いて欲しい話でした。

 

貼り主: chiyoko 日時: 2008年05月06日 22:14
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