2008年04月25日

SICKO

マイケル・ムーア監督の「SICKO」を見に行きました。
アメリカの医療制度の問題点を丁寧に追った映画です。
「今回のムーアには愛がある」の評判どおりの映画でした。

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「SICKO」公式サイトです。

前回の「華氏911」は、アポなしで権力者人に突撃インタビューしている攻撃的な印象の映画でした。
今回の映画では、アメリカの医療制度の実情を追いながら、他の国との対比で問題を鮮明にしています。
それが、かえって観るものを深く考えさせます。


アメリカは先進国の中で、唯一国が運営する「国民健康保険」が存在しない国。
6人に1人が無保険。
毎年1万8千人が治療を受けられずに死んでいく。


映画では、アメリカ国内のおどろきの事例が次々と紹介されます。
ひざをパックリと切った男性が、自分で針と糸で縫い合わせていたり・・・
民間の保険会社に加入していた夫婦で大病を患ってしまい、自己破産したケース。
電気ノコギリで指を切断した無保険の大工が「指をくっつけるのに、薬指なら140万円、中指なら700万円」と選択を迫られ、薬指だけつなげた例。
救急車で運ばれた女性が、保険会社の請求に救急車は事前申請が必要とあり、「いつ許可を取ればいいの?乗る前?意識が戻ったとき?」と訴えている話。
入院費の払えない患者が、車で路上に置き去りにされる場面・・・・などなど。

そんなアメリカから、お隣のカナダに目を移すとこちらは国民皆保険制度。

そして、医療制度の充実しているイギリスの取材。
イギリスでは、すべての医療が無料。
しかも低所得の患者には、通院交通費が支給される窓口が病院内にあります。

フランスは医療が無料な事に加えて、子育て支援も充実しています。
子育て中の母親に対する相談や、子どもを預かり母親がゆっくり出来る時間を持てるようにする支援など。
フランス在住のアメリカ人たちの話を聞いているうちに、ムーア監督が「もうこれ以上聞きたくない」と耳をふさいでしまいます。^^;
なんだか、同じ人間なのに・・・と不公平感を感じてしまいます。


アメリカ国内で唯一医療費が無料なのがキューバのグアンタナの米軍基地。
ここに収容されているテロ容疑者たちには、高度な医療が施されています。
それに比べて、9.11で各地から駆けつけた救命員達の中には、きちんとした医療が受ける事が出来ず、苦しんでいる人がたくさんいます。
キューバに、9.11の救急活動での後遺症で苦しんでいる患者たちを、ムーア監督が何人か連れて行きます。
アメリカが経済封鎖しているキューバの病院では、外国人でも、検査から入院すべて無料です。
「アメリカで6年間も戦っているのに・・・信じられない・・・」と泣き出す女性を「大丈夫ですよ」とやさしく肩を抱く医師の姿に、思わず胸が詰まりました。

ムーア監督は、「この問題は他人事じゃない。」「みんなが行動を起こすための映画だ」と言っています。
「『華氏911』のあと考えたんだけど、観客がただ座って映画の中の人、つまりぼくをみているだけだったらダメなんだ。
彼らが立ち上がって行動を起こさない限りアメリカの状況が変わる事はない。
だから、この映画は、行動を起こす事を呼びかけている。
マイケル・ムーアではなく、みんなが行動を起こすんだ」

日本人にとっても、他人事じゃありませんよね。
私が映画の中でとっても印象的だったのは、言葉は違っていたかもしれませんが、
「フランス政府にとってフランスの国民は怖い存在」
「しかし、アメリカ国民にとって、政府が怖い存在だ」と言う国民性の違いです。


日本はアメリカよりも、もっと政府に馬鹿にされているような気がしませんか・・・?
主権は国民にある事を、一人一人が意識しないと変わらないんじゃないかと、改めて思い知らされました。

この映画。
絶対にお勧めです!!

貼り主: chiyoko 日時: 2008年04月25日 14:51
コメント

今DVDを図書館から借りてきて見ました。
いやー、まさか自分の住んでる町、WINDSORが映画に出てくるとはね。ああしてアメリカ人がカナダの病院を頼りにわざわざ来てるんだなあと思うと、ちょっとカナダが好きになったかな。アメリカに出かけるときに怪我しないように気をつけなきゃ・・・。本当にもう・・なんでなされて当たり前な事がこんなにお金のためになされてないんだろう。自分の家族の命に置き換えれば、絶対にお金のために命を粗末に扱う事はないだろうに。人間はどんどん心を失って恥ずかしい生き物になっていく気がするよ・・・。今アメリカで初めての赤ちゃんを出産しているはずの先生のことを考えると胸が熱くなる。マイケル・ムアが言ってたみたいに、アメリカに生まれてアメリカの市民権を持つ事が命を落とす理由になるなんて、本当にとんでもない話。

貼り主: 幸 日時: 2008年06月15日 06:24
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