今回の「灰溶融炉建設」には、環境省からの「循環型社会形成推進交付金」が使われています。
「その交付金を使って、すでに事業が始まっているので、もし今止めたら今までに使った2億円を国に帰さなければならない」
と言うような説明が、地元の住民にされたようです。
2月27日、今回の「循環型社会形成推進交付金」を出す側の国・環境省に要望書を有志11人で提出に行きました。
要望書に沿って資料も用意して見ていただけるようにしてきました。
当日の朝、突然、記者クラブへ連絡したのですが、記者会見には4社の参加がありました。
環境省からの出席は3名
廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課の方が出席してくださいました。
最初に、要望書に沿って、富士見町に建設予定の灰溶融炉施設に関する問題点・要望を。
その後、灰溶融政策全体に関する問題点・要望そこちらから話しました。
そして、最後にこうした問題を抱えた中で、環境省として私たちにアドバイスはできないか、と言うことで、循環型社会形成推進交付金について伺いました。
その結果、この交付金はかなり事業主体の自治体に裁量・判断がゆだねられていて、変更も可能だと言う話です。
資源回収施設や、バイオガス施設など、循環型社会を形成するために必要な施設など、かなりの柔軟性があるとの事です。
基本的に、各自治体が決めたことに対して、国が応援できるシステムだそうです。
ただ、灰溶融炉を建てることが前提で焼却施設を壊したので、もしその土地を利用しない時にはその分については返さなければいけないようです。
でも、万が一そうなったとしても、灰溶融炉を建設したらこれからかかるだろう財政負担・環境負荷を考えたらそんな物安い物ではないでしょうか。
設定されている一時間は、あっという間でした。
でも、環境省の担当に方には、終始誠実に対応して頂きました。ありがたかったです。
以下が、要望書の内容です。
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諏訪南行政事務組合で計画している灰溶融炉建設の中止を求める要望書
<はじめに>
現在、茅野市・原村・富士見町で構成する諏訪南行政事務組合の広域の事業として、灰溶融炉施設の計画が進められています。昨年の5月以来4度にわたり組合主催の住民説明会がありました。第1回の説明会は、3市町村の住民の他に、建設予定地の隣接地である山梨県の住民も含めて、約200人の人々が出席しました。この事は、この計画に対する人々の関心の高さを示しています。しかし、説明会では、私たちの疑問に対して納得のいく回答はなされないままで、むしろ組合側が強調する安全性や利便性の説明に一層の疑問を抱くようになりました。回を重ねるほどに不安や心配が増し、私たちは、灰溶融炉建設が最善最良の選択肢ではないとの考えに至りました。
灰溶融炉のような施設に頼らないごみの減量政策、環境先進国として、50年、100年先を見すえた真にあるべき循環型の社会を目指す事を要望いたします。
私たちは、灰溶融施設に次の疑問を持っています。
≪地元の状況と諏訪南行政事務組合の問題点として≫
① 建設予定地の地質について
・ 組合は、自らの生活環境影響調査で建設予定地の休戸は、地質が脆弱で山地災害を起こしやすいと言っているにも関わらず休戸を第一候補とし、他の場所の検討はしていません。
・ 建設予定地の近くには若宮断層(糸魚川―静岡構造線)が存在します。
・ 信州大学副学長の小坂共栄教授(構造地質学)と地質調査を行った結果、若宮断層と同じ方向に走る断層がいくつも見つかっています。
② 地元地区の休戸、花場、大武川(山梨県北杜市)は建設に反対している件について
・ 平成16年に花場・休戸区両区長から組合に提出された「同意書」について、「同意書の撤回」が組合に提出されています。組合が「地元区」としている山梨県杜市の大武川区では、区民に対するアンケート行われ、
90%の区民が建設に反対しています。
③ 平成19年度まで具体的なごみ減量化政策を実施してこなかった件について
・灰溶融炉の建設を検討し始めた平成14年から、ごみの減量化に取り組むべきでしたが、平成18年まで何も対策が取られていません。3市町村ともごみ問題の根本的な解決に向けて検討を行うことも無く「灰溶融炉建設ありき」で進められています。
④ 掘り起こし灰を処理する件について
・ 掘り起こし灰を溶融処理している例が非常に少ない。
・ 掘り起こし灰の中に含まれる可燃成分は、6.4%~10,7%と高く、溶融処理を行うと爆発事故につながる危険性がある。
・ 茅野市から20Km離れた富士見町に灰を運んで処理することは、環境面や経済性を考えても矛盾している。
・ 掘り起こし灰を前処理する過程で灰が飛散し危険。
⑤ 最終処分場の残余年数について
・組合は、最終処分場が平成20年度には満杯になると説明していますが、最終処分場の埋立処分量記録から計算すると平成23年度までは使用可能。
⑥ 国へ提出している計画書について
・環境省と組合が意見交換を行った記録の情報公開を求めます。
⑦ 検討委員会が絞り込んだ13社のうち5社が談合事件で指名停止処分になっている件について
・総合評価入札制度を導入する場合には、現在指名停止処分になっている5社すべての停止処分が解除されてから入札を行うべきです。
≪灰溶融施設についての疑問点として≫
a 生活環境影響調査のあり方について
・ 生活環境影響調査は、施設が稼動する前の調査結果である。組合は、この結果を基に、施設が稼動した後も安全であると説明しているがこのような用い方は問題である。
・ 生活環境影響調査の信頼性に疑問がある。
b. 事故やトラブルが多発し、爆発事故まで起きていることについて
日本各地で深刻な事故が多発し技術そのものがまだ確立していない事を物語っています。しかも、地元住民の通報によって始めて事故が明るみになる事など、安全対策に関しても、今だに多くの問題を残しています。
c. 排ガスによる大気・土壌・水質などの環境汚染や、それによる健康被害について
・ ダイオキシンの測定が年1回、しかも4時間しか行わない事は問題である。
・ 高温処理することで発生する重金属やダイオキシン類似物質については排出基準がない。
・ 信頼性の高い長期連続摂取の技術がドイツやベルギーで義務化され、日本にもすでに導入例があります。なぜ採用を義務化しないのですか?
d.スラグの安全性と使用方法について
・ スラグの利用が進まず各地の自治体が困っています。
・ JIS化の溶出試験は酸性雨に対応していません。
・ 様々なものを燃やすごみの焼却灰は、成分にばらつきが出ます。その灰をスラグ化するのですから均一な製品を作ることは困難と思われます。
・ 4年間でわずか136日間しか稼働していない山梨県大月市の灰溶融炉に似た例が全国には沢山あります。
・ スラグは鉛やヒ素など、多くの有毒な重金属を含んでいます。日本中に降り注ぐ酸性雨によって有害物質が溶出する事は、広島県の保健環境センターが平成16年に行った溶出試験で証明済みです。
・ 茅野市、富士見町、原村には上水道が配備されず地下水(井戸水)で生活している人がたくさんいます。スラグが地域の公共事業に使用されると、そこでは暮らせなくなります。
e.建設費とランニングコストについて
・建設費23億円、ランニングコストは年3億円。このお金をごみ減量化政策にかければ、循環型の環境にやさしい地域づくりが可能になります。
f.地球温暖化防止に逆行する施設であることについて
・多い機種では、一時間にドラム缶4本もの灯油を使い大量の二酸化炭素を排出します。地球温暖化が深刻さを増す時代に逆行する施設です。
g.溶融化政策とごみ問題を解決させるために必要な政策との矛盾点について
・24時間連続稼動が必要な溶融施設を導入すると、ごみ減量化への意欲が損なわれます。
h.溶融炉の導入により地域の経済が疲弊することについて
・溶融化政策で一企業が潤うよりも、小さな規模で循環型のゴミ減量政策を進めることにより、地域の雇用を産むべきです。
i.ドイツでは灰溶融炉が稼動していないことについて
・ドイツでは、灰溶融について研究・応用した結果、経済性・安全性など、どの面からもメリットを見出せずに導入を止めています。
日本中の多くの自治体で、時代に逆行し未完成の技術である施設に対し、反対運動が起こっています。交付金を出す国の義務として、以上の疑問・問題点に対する納得のできる回答を求めます。
<終わりに>
私たちには、今の美しい日本を後世に残していく責務があります。温暖化は年々深刻さを増し、資源はますます枯渇して行きます。
国民の健康を第一に考え、未来の子供たちが安心して暮らせる環境を、後世に引き継ぐ努力を怠らず、貴重な財源を有効に活用することを最優先に考える行政であってほしいと心から願います。
灰溶融炉への補助金を、他の用途に変更可能とのこと、朗報ですね!灰溶融炉は、環境を汚染し、事故の危険が高く、莫大な税金を浪費する、最悪の選択肢だと思います。地域のごみを資源として循環させて、地域の雇用を生むようなを仕組みを富士見町に作れたら良いですね!後世への負の遺産ではなく、持続可能な社会を目指して、踏み出す一歩になりそうな気がします。「国が決めたことは、変わらないでしょ。」とあきらめムードの住民にも、「決してそうではない」ともっと自信を持って言えるようになりました。わざわざ環境省まで行ってくださって、ホントにお疲れ様でした。素晴らしい成果ですね!このように、住民のために一生懸命になってくださる議員さんがおられること、ありがたいことだと思っております。
貼り主: いたちのいっちゃん 日時: 2007年03月08日 20:35いたちのいっちゃんさん、コメントありがとう!
ほんとに大変でした。最初はもうちょっと気軽に考えていたのですが、行くからにはちゃんと結果を出したいとみんなとも相談して・・・
かなり力が入りました。
資料も充実した物を用意できたと思います。
でも、それもこれも、とても私一人ではできません。
常に、皆さんの協力があってこそ、です。
みなさんも同じだと思いますが、一人だったらとっくに潰れてしまっています。^^;