2006年10月31日

大町市の「モンキードック」

大町市のモンキードックの取り組みを見学に行ってきました。

まず、役場に行って、担当の職員の方にお話を伺いきました。
大町市では、サルの被害対策に向けて大きく4つの事業があります

1.防止柵設置事業 
 ①電気柵設置補助
 電気柵設置に要する費用(人件費を除く)の1/2以内で、1世帯あたり20何円を限度。
 ②電気柵以外の防除柵の設置に要する費用(人件費を除く)の1/3以内で、1世帯につき5万円を上限として補助
  →これは主に猿落君(えんらくくん)と言う、奈良県果樹振興センター鳥獣害対策チームで開発された物です。
   奈良県果樹振興センターは、「鳥獣害の対策」では有名なところです。
   参考にHPのアドレス
   http://www.pref.nara.jp/nogyos/nousou/fruit/html/research.html 
   
   大町市では、富士見町のように町を囲うと言う方法ではなく、個人のお宅で自分の畑を守るための柵に補助を出しているんですね。
   でも、毎年冬に撤去しないといけないので、手間はかかるそうです。

2.テレメーターを利用した猿の追い払い
大町ではサルの群れは9郡。H17年度では600頭ほどいると思われています。
その群れの中の一頭ずつを捕獲して、発信機を取り付けています。(4歳以上のメス)
臨時職員を雇用して、車で監視、及び追い払いをしています。
また、サルの被害の多い集落には受信機を貸し出して、監視に役立てています。

061010.minki-dog1.jpg
又、ロケット花火を安全に飛ばす道具を奈良県のものを改良して、職員が作り年間120本ほど配布しているそうです。
1本もらってきたので、富士見町の役場の担当に持って行きました。

3.捕獲による被害防止 
猟友会により、檻、及び銃器による捕獲(H17年度実績 214頭

4.モンキードッグ事業
モンキードックは、9群ある中の1地区のみで実施。
H17年どは3頭を訓練。
訓練内容は
①人に危害を加えない
②サルを見たら追い払いをする
③追い払いを終了したら戻ってくる。
訓練費用は1頭1ヶ月5万円 ×3頭分

万が一追い払いの時に第3車者へ被害を与えた場合への対応に 
損害賠償保険 1頭 2,000円

モンキードックを飼育しているお宅にお邪魔しました。
061010.monki-dog2.jpg
昨年訓練を受けた3頭のうち、現在活躍中は、残念ながらこのクロちゃん1頭。
1頭は川で事故にあい死亡。もう1頭も入院中だそうです。

モンキードッグ事業を取り入れているこの地区は、すぐ後ろに山を抱えています。
クロちゃんは普段、外でつながれて飼われています。
サルの加配を感じるとクロちゃんが反応するので、放してサルを追わせます。
追い払いが終わるとクロは自分で帰ってきます。当初は心配で探しに行ったりもしたそうです。

写真の後ろにあるのが畑。以前は奥さんが畑で仕事をしていると山際でサルが見ていて、家の中に入るのを待っていて、畑を荒らしたそうです。
でも、クロを飼うようになってからは被害は無いとの事です。
また、クロのいる1km範囲内はサルの被害は無いとの事でした。

問題点としては、
・被害地区に住んでいる飼犬を訓練するために、犬の選定が難しい
・山の中に入るので、ダニなどの害虫対策が必要
・犬が嫌いな人もいるので、普通の飼い犬との区別をつける必要がある。
・飼い主がいないと、解放す事ができない。
・サルが木に登ってしまうと犬のみでの対応はできない
・犬のいる近くではサルの出没が減るが、離れたところでは効果が期待できない。

今後は、犬のいる場所の「点」を頭数を増やす事によって「線」にして行きたいとの事です。
そのために11月から7頭を募集して訓練する予定だそうです。

現在入院中のモンキードックのすんでいる地区でも、犬の姿が見えなくなってから2週間くらいでサルの出没があったそうです。
犬がサルの出没に大きな抑止の役割を果たすことは間違いないようですが、いない地区での対応も考えなければいけませんね。

柵にしろ、駆除にしろ、「これで100%」のものはありません。
それらをうまく組み合わせる事によって、かなりの効果が得られるのではないでしょうか?

富士見町でも、昨年は秋からほとんど被害の報告が無く、冬に頭数制限をすれば効果があるのではないかと思われていましたが、今年も地区によっては、大変な被害がありました。
私は、我が家でも実際に犬で追ってみて効果があると確信しています。
http://www.angelchiyoko.net/mt/archives/000213.html

http://www.angelchiyoko.net/mt/archives/000223.html

http://www.angelchiyoko.net/mt/archives/000266.html


富士見の役場では、「事故なども考えると、費用対効果が低い」と言われました。
でも、根本的な原因を考えてると、とにかく出没したら追う事が基本だと思います。
昔のように、人と野生動物がきちんと住み分けができるようにするためには、犬の力も必要不可欠だと思います。
出没の多い地区で、訓練された犬がいればサルはそこを避けます。
つまり、サルの安心できる環境をどれだけ減らせるかと言う事ではないでしょうか?
お年寄りがサルを見かけても、なかなか追い払うことはできません。
「もう、畑はあきらめた」と言わせないために、どんな取り組みをすべきなのでしょうか?

同時に犬を正しく飼う事によって、どれだけの癒し効果が、また子供には教育になるか、計り知れない物があります。

そう言った事も含めて考えると、なんとかこのモンキードック事業が富士見町でも実現したいものです。

貼り主: chiyoko 日時: 2006年10月31日 11:18
コメント

初めまして、モンキードックは犬が事故で亡くなるケースが多いので、愛犬を提供するのには抵抗があるかな・・・・犬に対して飼い主がどのように飼うかで、考え方に違いが出てくるのかなと思います。

貼り主: saisaitakesi 日時: 2008年10月05日 15:55
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