4月8日に映画の上映会をしました。
「教えられなかった戦争」シリーズ
第二の侵略 ー 開発・投資・派兵 ー フィリピン
昨年の9月に「日本の戦争」、を上映する実行委員会を何人かと立ち上げ、上映会を開きました。
これからも継続して歴史の事実を伝える映画の上映会を開催していく予定です。
前回の2回目は、3月5日に「教えられなかった戦争」侵略マレー半島の上映会をしました。
「アジアを開放する」と唱えて、アジアのいたるところで大虐殺を行っていた日本。
この映画で語られている事はマレーシア人だったら、誰でも知っている歴史的常識なのに、多くの日本人は知りません。
この事が一番の問題だと思います。
3月5日のこの日。コミプラのAVホールで上映会を開いたのですが、その隣の研修室ではインドネシアの人たちを対象に日本語教室が開かれていました。
この日本語教室は、毎週日曜日に「ばらい富士見」の会の皆さんで運営されています。
「ばらい富士見」の会の方々はもう10年近くこうして地道な活動をなさっているそうです。
この日も15人近くの参加者に対して4人のボランティアさんが指導にあたっていました。
ボランティアの先生の中にたまたま知り合いがいたのでのぞきに行ったのですが、こういった活動を地道に続けて来れれたみなさんには本当に頭が下がります。(10年間。毎週ですよ!! @.@ )
富士見町のコミプラでも外国人を対象とした「日本語教室」がありますが、ずっと以前からこうして支えてきた人たちがいたんですね。
同じコミプラの隣の部屋で開催されていた事に歴史を感じ、日本人の行った残虐な面とやさしさとを思うと、言いようもなく悲しくなりました。
話を戻して、4月8日の映画の話です。
「教えられなかった戦争」シリーズ 第二の侵略 ー 開発・投資・派兵 ー フィリピン
この映画は2001年9月から10月にかけて3週間、フィリピンのミンダナオ島南西部を中心に取材をもとに作られたのもです。
その一年間で50万人の住民が、同じフィリッピン政府の軍によって攻撃・殺され生き残った人たちも家を追われ難民生活を強いられていました。
現代の、フィリピンで何が起こっているのでしょうか。
フィリッピン政府は治安を乱すイスラム武装勢力を制圧する為と発表しています。
映画では、政府が過激派としているモロ・イスラヌ解放戦線の幹部のインタビューもありました。
★映画はミンダナオ島のある地区の歴史を女性が語るところから始まります。
それまで農業や漁業をして平和に暮らしていた地区に、60年~70年代にかけて森林伐採業者が入り込んできて生活が一変します。
業者たちは先住民族から土地を奪うのに二つの方法を使いました。
お金を少しづつ貸したりあげたりして、返済不能になったところで土地を奪う方法。
もう一つは、イスラム教徒で豚を嫌ったサンキル族の畑にわざと豚を放す方法。
豚に荒らされた畑を見てサンキル族は畑を放棄してしまいました。
先住者たちはとても平和で親切な民族で、自分たちをだまして土地を奪おうとしているなどと思いもしなかったのです。
その後、自体はますます悪くなり軍事化の地域も拡大していきます。
フリッピンの政府軍は空爆をした後、軍隊で乗り込んで多くの人を殺戮します。
居住区を失い生き延びた人たちは、NGOの支援で難民生活を送っています。
軍は毒の爆弾さえ使ったそうです。
こういったマルコス政権下で行われた行為を 「民族絶滅戦争」 と呼んでいるそうです。
その後コリー・アキノ政権に変わると、事態はもっと悪くなります。
軍事化に加えて開発計画が加わり、搾取や圧制はさらにひどくなっていきます。
2001年頃から、又新たな侵略がはじまります
★とりわけひどかったのが、イスラム教徒に対する差別
アメリカとフィリッピン政府が合法的に土地の略奪を行うために法律を作っています。
≪1903年 公有地法 ≫
国家に対して未登録のすべての土地は公有地である。
従って、その土地は売却・貸与の対象となる。
≪1959年 鉱山法 ≫
すべての公有地は無料であり、アメリカ人を含め、自由に探検・占有・売買できる。
≪1936年 連邦条例≫
イスラム教徒が所有する土地はすべて公有地である。
イスラム教徒 1人 4ha
キリスト教徒 1人 24ha
企業 1、024ha までの所有を認める
イスラム教徒は、こうして合法的に先祖伝来の土地を奪われました。
住民は言います。「これは政府が言うような民族紛争でも宗教紛争でもなく、階級紛争である。」
★ミンダナオ島はとても資源の豊かな地域です。金・銀・胴の産出量は世界でも5本の指に入るそうです。
その豊富な資源を目指して企業が進出してきます。しかも、トンネルを掘らずに露天掘りをするので、一度採掘が始まると一帯のの自然は壊滅状態になってしまいます。
また、労働組合つぶしも軍を使って行われます。
会議を襲撃される。活動家が殺される。NGOの活動家も軍の特殊部隊に殺されています。
ひどい弾圧の中で、近年それでも組合を作り、デモが行われるようになって来ました。
★モロ・イスラヌ解放戦線の幹部のインタビューからいくつか・・・
Q:なぜ政府の役人にならなかったのか?
A:信念の問題。モロの人々を抑圧する政府のに仕えることは出来ない。。私たちはモロの人々のために戦います。
Q:モロの人々への差別をどう思うか
A:それは差別ではない。私なりに表現すればそれは積年の非道。不正の数々。権力による非道な暴力行使。
私たちはそれを「開発と言う名の侵略」と呼んでいます。
O:NY同時多発テロ以降の情勢をどう思うか
A:アメリカは何を持ってテロリズムと判断するのだろうか。
人や組織が実行するとテロリズムだが、それを国や政府が実行するとそうは呼ばない。それが問題。
★なぜ、日本を代表するような大企業が海外へ進出するのでしょうか。
円が高くなり日本の儲けが少なくなった事。
アメリカの輸入規制が厳しくなった事。
日本の企業は、85’を堺に海外投資が飛躍的に増えていく。
その後はうなぎのぼりに増え、’89年には世界で最大の海外展開国になった。
その理由として
・低賃金である。
・経済発展政策をとっている国は、輸出税や輸入税を免除している。
・労働組合の活動を政府が責任を持って規制している。
・環境規制基準がゆるいので、日本で使い物にならなくなったプラントが使える。政府は資本導入のてこにしている。
特にアジアが多いことが特徴的。
日本は、アジアの民衆を抑圧して得られる特権を守るため、ODAを出して、結果として開発独裁政権を支えている。
その「特権」を守るために、80年代の末になって、日本の財界は自民党に対してODAと軍事力を強く要求していくようになる。
★「ルソン島の南部でカラバルソン計画と言う一大工業プロジェクトがある。
港に58億、高速道路に42億と、日本からのODAがつぎ込まれている。」
そのために10万世帯の農民が強制排除されたそうです。
カラバルソン計画で投資された日本の企業の部品輸入や製品輸出のために作られたバタンガス港で起こったこと。
1994年、国際貿易港を作るため、1500世帯が住んでいた居住区が軍隊によって破壊される。
それは日本の開発事業団の立案で日本のODAが58億の貸し出しをしている。
バタンガス港での取材の中で、女性がこぶしを振りかざし、涙ながらに訴えた言葉。
「すべての報道を政府はコントロールしている。
政府は、立ち退きは平和的に行われ住民は喜んで立ち退いたと報道しました。
私たちは怒って抵抗した。みんなよくがんばった。家を壊されたくなかったから。
でも、圧倒的な武器の前で破壊を阻止できなかった。
これは日本の第二の侵略だ。
私たちの国の、武力や軍隊を使って人権を抑圧し強制排除している。
不当に家を壊された者として、私たちの正当性を主張し続けます」
★映画は次の言葉で終わります。
「この8年後訪れると、強制排除された人々は湿地帯で難民生活を送っていました。
日本経済の発展のために、この人たちはどうしてこんなひどい目にあわなければいけないのでしょう。
こう言うことを起こさせない義務を、ぼくらは持っているのだと思う。」
★作者からのメッセージからの抜粋
「現在50万人以上を強制排除して奪った土地は、油田開発予定地、鉱山開発予定地、植物プランテーション予定地。ミンダナオ島でも特に肥沃なところでした。すでに外国企業の現地事務所が出来ていました。そして熱帯雨林の伐採が始まって、大きな丸太が切り出されていました。
このようにフィリピンにおける開発や投資には、暴力が伴っています。その暴力によって、安く土地が手に入り、環境を壊しても、公害を垂れ流しても、人権を無視して従業員を雇用してもかまわないと言う、企業にとっての好条件が保障されています。そして現在フィリピンに投下されている資本は、日本が最大になってきています。このようなことは、インドネシアでも、タイ、マレーシア、韓国など親米開発独裁債権化では、同じようなことが起こっているはずです。
暴力で作り出された企業にとっての好条件は暴力でしか守れません。日本の資本の立場から考えると、やはり自国の軍隊によってこの好条件を守って欲しいと願うのは当然です。これが最近、有事法制化を急ぎ、平和憲法を改悪して、自国の軍隊をいつでも海外に派遣できるように日本政府が焦っている本当の理由ではないでしょうか。・・・(略)」
信じたくはないのですが、これが本当に現在の世界の中で起こっていることなのですね。
映画を見て、つくづく「ODA(政府開発援助)って一体何なんだ!?」と、分からなくなりました。
日本の借金は800兆円を越えたと言われています。
赤ちゃんを含めた国民1人当たりでは、1人637万円の借金を抱えていることになるそうです。
皆さんは日本の借金時計をご存知ですか?恐ろしい勢いで借金が見る間に増えていきます。
http://www.takarabe-hrj.co.jp/takarabe/clock/index.htm(日本の借金時計)
そんな借金漬けの国が、ODAと称して海外に何のためか分からない巨額な投資をしている。
安い賃金や甘い特権を求めて、日本の企業が海外進出をする為に日本では失業者が増えている。
一体どう言う事なんだ!? (◎_◎)
ODAをネットで調べていたら、裁判まで起こっている例があるのを知りました。
日本で初めて、現地住民と自然生態系が被告となり、ODA(政府開発援助)を問う裁判が行われています。
インドネシア・スマトラ島の、124平方キロメートルもの広さの地域が、日本のODA-政府開発援助-ダムによって沈められました。東京・山手線内の約2倍の広さです。
インドネシア・コトパンジャンの人々(原告8396人)・動物・自然が東京地裁で国・JBIC・JICA・東電設計に対して原状回復・賠償を求めています。
コトパンジャン・ダム
http://www.kotopan.jp/
自分の子供たちが、日本から海外へ飛び立つようになってからなおさら、一人の母親として「事実を伝えておかなければいけない」と、切実に思うようになりました。
それを日本から見た時と、日本の外から見たと時では、また思いも変わってくるでしょう。
この映画だけではありません。世界中には目を背けたくなるよう事がたくさんあります。(富士見のパノラマ問題もそうですよね)
でも、知らないこと。知ろうとしないことがしないことが一番の罪だと私は思います。
どんな事が起こっているのか、その背景にはどんな理由が隠されているのか。事実を知っていて欲しいと思います。
後は自分の頭で考え、どう判断するのかです。
★映画を見た方にアンケートをお願いし、感想を書いていただきました。
その中からいくつかご紹介します。
・多くの人と話し合いたい
・全く知らされていない戦争について知らせていただきました。現代の日本の私たちが出来ることは何か。実行してゆかねばと思いました。
・現在もなお、こんな形でアジアの国々を侵略している日本。非常に恥ずかしいと思います。
・戦前・戦後友、日本は外国でひどいことをしてきた事をつくづく知りました。
・日頃、テレビ・新聞メディアで報道されていない実態を今日の映画で知ることができ、大変勉強になりました。
・中学校の地理の授業で、日本企業がアジアの方に行っているのを聞いた。その時はいいことしか先生は教えてくれなかった。
アジアの人たちも仕事はできて喜んでいるとか。でも、本当はぜんぜん違うから学校でも教えるべきだと思った。