2005年12月22日

キューバがあるじゃないか

11月13日に吉田 太郎(よしだ たろう)さんの講演会がありました。
吉田さんは、現在長野県の農政部農政課で、自然と共生する農業や県の農政施策の調整を行っていらっしゃいます。 
東京杉並生まれ。筑波大学大学院地球科学研究科を中退後、東京都庁へ入庁。都職員をしながら、埼玉県秩父の山林を開墾。そこに山小屋を立て、週末は有機農業を営んでいらっしゃいました。
また、有給休暇を利用し、何度もキューバを訪問。
「有機農業が国を変えた」 「200万都市が有機農業で自給できるわけ」などの著作をお持ちです。
キューバの有機農業の第一人者です。


日本では、あまり知られていないキューバの話。すごい事をやってる! 本当に面白かったです。

話の導入は「緑の革命」からでした。
  「緑の革命」。なんとなく言葉は耳にした事はあったのですが、ここでインターネットを活用して、まずはおさらい。
  「緑の革命」とは、高収量品種の作物の導入や化学肥料の大量投入などによって、穀物の生産性を向上させ、大量増産を達成したこと。
  高収量品種は在来種に比べてると、米粒の量は2倍ほど多いのだそうですが、その分大量の養分や水が必要になります。
  そのために、大量の化学肥料や農薬、灌漑用水を使うようになりました。
この緑の革命以後の農業の弊害がその後、各国で問題になるのですね。

これから吉田さんのお話
・江戸時代の農業は100%投入すると250%の収益が上げられた。
現在の農業は  100%投入しても35パーセントの収益しか上げる事ができない。石油に浮かんだ農業である。
・スイスでは9割が環境保全型の農業。守ればお金を直接支払すると言う。
・インドネシアでコミニュティをベースに環境型の農業を進めた例。
 田んぼに入って天敵はなにか、 害虫はなにか、をまずよく観察する。その結果、いつ農薬が本当に必要でまけばいいのかが自分で判断できる農家を作る。
  →その結果、農薬の使用量を90パーセント削減する事ができた。
・古代の知恵に学ぶ例。 2500年ほど前のインカ帝国の、海抜4000mで行われていた「ワルワルス農法」。何列もの畝を作るようにして、高台と高台との間に水を引く場所を作る。すると水は夜でも4℃よりも下がらない。水の温かさで農地の温度を上げ、しかも洪水も避ける事も出来た方式。
 この方式は、現在の農法でも敵わないそうです。古代人の知恵ってすごい!!!
・マダガスカルでのSRI農法 
 ★一本で植える。
 ★水をぎりぎりにする。
 ★間隔をあける。
 ★幼い苗を植える
 以前は、1ヘクタール当たり2トンしか収穫できなかったのに、このSRI農法で植えた田からは 14トンの収穫があったそうです。(この数字、ちょっとすごすぎません!?)

キューバの話
・革命前、キューバではサトウキビ・柑橘類・コーヒーなど換金作物を作って輸出、ソ連から小麦粉を輸入してパンを焼くような生活をしていた。
 自給率は40%。化学肥料や農薬を大量に輸入して農業が成り立っていた。
・ソ連が崩壊して石油などが入ってこなくなる、その上にアメリカの経済封鎖で未曾有の経済危機を迎える。
 その結果、外貨に頼らず、自然に付加を掛けない生活に変化して行った。(せざるを得なかった)
・石油が入らなくなり、トラクターが牛に変わった。
・外貨が外から入らないので、農業に雇用の場を作った。
 例えば、ミミズを使って堆肥を作る。
     害虫に忌避効果のあるニームの木を100何本単位で植える。
     畑にフェロモンをしみこませたスポンジを置き害虫を集め、その虫をボウベリア菌で感染させ、死ぬまでに動き回る一週間ほどの間に他の虫にも感染させる。
     サツマイモに被害を及ぼすアリモドキゾウ虫には、天敵の蟻の巣ごとサツマイモ畑に運んでしまう。
・山奥の学校でもソーラーパネルでパソコンが使える。学ぶ力を引き出す教育に力を入れている。「国の底力は教育」である。

★キューバってすごい事やってるんだ! 知らなかったです。
これだけ情報化社会が進んでいて、世界の隅で起こったことが瞬時に伝わる世の中なのに!?
物やお金がなかったら人間いろいろな努力をする。
そしてそう言った生活がこれからの人類が進むべき道だという事を、キューバで起こっていることは明確に伝えていると思いました。

あまり面白かったので、吉田さんの 「200万都市が有機野菜で自給できるわけ」と言う著書を買って読んでます。
ソ連崩壊後のキューバ国内の混乱は大変なものだったようです。
でも、それをまさしくチャンスにしたんですね。

また、吉田さんの話にあったSRI農法。
たまたま長女が9月に一ヶ月間インドネシアで研修してきた農法でした。
これもすごく興味深い話です。
富士見町の多くは農村地域。富士見町の元気な農村女性たちと農業の活性化をじっくりと考えて行きたいです。

貼り主: chiyoko 日時: 2005年12月22日 10:27
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