2004年04月07日

大泉湧水をめぐる問題

高森の大泉湧水の近くで、住宅を併設した馬場を建設する予定がある。
中央競馬会を引退したサラブレットが余生を送るための施設で、敷地は二千五百平方メートル。
仲介の不動産業者は昨年の9月に富士見町に町主導で環境保全のための保護を提案。しかし、町としては不動産業者指定の2年以内は無理と判断、町の環境保全条例など法的な規制が一切ない事から、「大変に難しい場所で、反対運動の起こる場所、まず地元への説明が必要」と助言をするに留まった。

造成作業に入った2月の時点で初めて地元住民の知る所となる。
高森区は以前にも水利権をめぐり、裁判が起こった経過もある地域。
水源の森の環境汚染を懸念する声が上がった。
2月18日に地元住に対する説明会が開催されたが、建設反対の声がほとんどだった。

土地を買った二人にすればただ、呆然とするしかない状態だった。
若いカップルがあの土地を見て、「こんな、夢にたいな土地に住みたい」と、思うのは当然だと思う。
批判は理解できる。しかし、この土地の事をよく知らない人間に「まず、地元に挨拶があって然るべきだった」と言っても無理な話ではないだろうか。
「ご近所への挨拶と言っても、挨拶すべきご近所がない」と、私だったら考える。
それにしても、不思議だったのは引退した競走馬を飼ってどうやって生計を立てるつもりなのかと言うこと。
引退した競走馬はほとんどの場合、肉になるが「殺すには忍びない」と老後の管理を委託したり、他の人が乗馬用に調教し直してもらい、馬主となる場合もある。
とにかく二人とも馬が大好きで、そんな馬を預かる生活設計を立て、多額の借金をして土地を購入した。


ここで、先ず思うのは「なぜ、もっと早く地元住民に知らせなられなかったのか」と言うことだ。
土地の売買契約の済む前に分かっていたのならここまで傷は深くならなかった。
行政の視点で見ると、個人から個人へと土地が売買された事であり、個人の情報を流す訳には行かなかった。
不動産業者は、すばらしい場所だからこそ、別荘地などになるよりも環境に十分配慮して今回の計画を進めた。

この話を追って行くと「どうして?!」と、腹の立つ事も多い。
しかし、行政も不動産業者も、それそれの立場で、出来る範囲の努力はされたのだと思う。

3月に入り、高森区長を中心に下流の6区をを含む区長の連名で陳情書が提出された。
・水源管理地である高森区に一切の情報伝達がなされなかった事は開かれた町政とは言えない。町が全責任を取って住民の納得できる早急かつ最善の解決に向け行政努力をすること。
・町が代替地を提供するか行為地を買いとって保全すること。
・将来、周辺部でも同様の問題が起きる事が懸念され、今回の事を教訓に湧水のエリアごとに向けた保全に向けた努力をする事。
の3点が求められている。
 地元の皆さんが動いてくださった事は大変意義のあることだと思う。
しかし、「あの土地は守るべき土地」「計画にNO!」と言った人にもそれなりの責任が生じると思う。
もし今回、行為地を町が買った場合、これと同様に保全すべき土地について同じような対処が求められる事になる。

この問題が起きてから、一体どの程度の土地が個人所有の土地なのか?調べてみた。
調べてみて唖然としてしまった。
湧水の沸き出口のわずかな部分は町が所有している。そして湧水を囲むように森の一部は高森区の所有だが、ほとんど、一帯は個人の所有地だ。
小さく区画整理をされ、地元の方ではないと思われる所有者もたくさんいらっしゃる。
地元の方はおっしゃる。「あの周りの土地は守るべき。地元では分かってて売ったりしない」
しかし、時代が変ればその「掟」もあやふやになるだろう。
現実に今回、売りに出されている。
貧しいインドの村で植林のプロジェクトに関わった娘が「せっかく植林しても大きく育つ間に村人たちが生活のためにきっていってしまう」と、ため息をついていた。
明日の生活か環境保護か。といった時、土地を手放す人を責める事が出来るだろうか?

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現在、乙事区でも温泉排水を乙事立沢汐に流す計画があり、放流撤回に向け住民運動が起こっている。
こんな問題が起こってしまう事は残念な事だが、今私たちは試されているのだ。
本当にしっかりと考えるべき時が来たんだと、チャンスを貰っているのかもしれない。
土地を守ろうとした時、知ってもらわなければ守れない、しかし、人が入る事によって自然が壊れる心配もある。
どうやって守って行けばよいのだろうか? 

福岡の筑紫野市では1990年から、市内の緑地保護を目的に、毎年五千万円の予算を組んでこつこつ山林地を買収している。
きっかけは産業廃棄物処分場の進出計画。
2003年度の購入総額は約6億円。買収面積は約71万平方メートルに達した。
一部の山では植林ボランティアを募集。約110人の住民が登録し、現在も作業を続けている。
市民に貸し出しシイタケなどを栽培する「きのこの森」も作り市民参加型の自然保護につなげている。

これは画期的なことだと思う。
富士見町は鉢巻道路より下にいくつもの湧水がある。その上部に保養施設、別荘などかあり、湧水への環境汚染の心配は以前から指摘されていた。
ただ、問題が大きすぎて着手できなかったと言うのが事実だと思う。
行政が主体になるのか、住民が主体になるのか。方法はいろいろあるはずだ。

3月の議会でも環境保は大きな問題となった。
今まで、手つかずだった問題が何とか動きだしそうだ。ある議員の提案「湧き水サミット」にも町長は意欲的だ。

今回の事で、民官協働で取り組む運動が起こせれば、それこそが富士見町の宝物になるのではないだろうか。

貼り主: chiyoko 日時: 2004年04月07日 12:13
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